昨年末に、香港船籍のタンカーから転落して溺死されました中国人のご遺体を引き取りに、第7管区海上保安庁に出向きました。
本庁舎から離れた施設の遺体用冷蔵庫に安置されていたご遺体を丁寧に受け取り、エンバーミング施設に搬送いたしました。
私が驚いたのは、ご遺体を受け取った施設が寒風吹きすさぶ玄界灘の岸壁にあり、なんとこの岸壁近くの海で、隊員の方々の海難訓練を目撃したことでした。
冬の玄界灘は波も荒く、海水温も触りたくないくらいに冷たく、そのような場所で男性隊員だけではなく女性隊員も潜水服に身を包み、凍るような冷たい海の中で訓練をされていました。
警察・自衛隊・消防署など、国民の安全を守るために日夜激務に身を投じていますが、その職務の危険度から言えば海上保安庁が一番ではないでしょうか。
ご遺体を受け取り、心の中で訓練の無事を祈りつつ帰路に着いた次第です。